今年もよろしくおねがいいたします。年賀状は和尚さん仕様のため、渋いです。早々と刷ったのに、まだ宛名一枚も書いていないみたい。松の内に届くかどうだか。。。
お寺の大晦日から正月は、まず門の上の鐘撞堂にストーブを用意して鐘撞きに来られた人へのお年玉のお菓子を用意して31日の11時半から鐘を撞き始めます。
はじめに私も撞かせてもらい、12時になる頃には村の大人や子供たちが。毎年30人くらいでしょうか。1時45分に108つ撞き終えるのです。
4時半には年始のおつとめを始めます。正月の三日間は年末に作った御札のための大般若といつもの朝課と。私はそのまま、ひと時の自分の時間とそれから正月の準備を。6時に母たちの居る山内の別のお寺に行き、小梅入りの白湯と、ごまめ、黒豆、数の子三種盛り(精進じゃないよね。まあ漁師町のお寺だから良いとしよう)小豆のお餅、おせち家族で新年のご挨拶をして7時には山内の3軒(実質2軒)お寺が集まり新年のご挨拶。
五種盛りの菓子を人数分用意してお抹茶とお煎茶を。色々お話をして、ああそうそう、今年は昆布の話題。とろろ昆布と、おぼろ昆布の削り方の違い。とろろ昆布は何枚も重ねてプレスして側面から削って作るので機械で削れるのだけど、おぼろ昆布は一枚を面から鉋の様なもので手作業で薄く削るのだそう。なるほど、模様の違いはそこにあるのだね。おぼろ昆布は均一で上等な昆布を使うのと、手作業のため高級になってしまうらしい。
(こんな事です。http://www.konbumura.co.jp/hpgen/HPB/entries/11.htm)
各お寺には8時過ぎには村内外の人々が年始の挨拶に来られるので、長話もしていられない。そこそこで話しを切り上げて各寺へ。和尚は玄関先に座りっぱなしでお昼前まで挨拶のし通しで私は裏方でお年玉(おねんぎょくと言います)のお返しをつくっています。と、さすがに眠いので裏でうとうと。
お年玉は餅米と下敷きにうるち米を一升ずつというのが昔からの習わしだそうで、今では少なくなりましたがこんな可愛い手作りの袋で持って来られる方もいらっしゃいます。
長方形をつないだだけの袋ですが、よく出来ています。何種類かつなぎ方があるようです、手づくりなのでお家ごと布が違っておもしろい。この中に、お菓子や、蜜柑、銀杏を入れてお返しします。
身近に有ってなんでもない、それでいて今となっては昔のものとなって消えてしまいそうな生活の道具。ハギレを大事に継ぎ合わせる。贈り物を包む、その中にこっそりお返しをひそませる。そういった、慎ましく奥ゆかしい日本の文化が見え隠れしています。
毎年くり返される、お寺のお正月のお話でした。