ガラ紡中間報告

ガラ紡は、水車などの動力で動かすものだから手回しはあくまでも家庭用なのだ。
ガラ紡の良さは、「均一に紡げないこと」「あま撚りでも糸になること」だろうか。
言い換えれば「いつも均等に均一でないあまよりの糸がたくさん紡げる」ということで、
これは、紡績機械には手間なことだろうし、手紡ぎの熟練者にも出来にくい事だ。



(今日は写真を撮り忘れた。なので有る写真をまとめておく) 

ガラ紡の道具が来て一月半になる。いい感じの糸が出来る工夫をしては見たが、手も時間もすごくかかり少々根負けしてしまい、しばらく熟成中だったところ、颯田木型さんから改良部品と手順の指示が届いた。

  1. おもりを重くする
  2. 筒に入れる綿は、綿が引っぱられても抜ける事無く、なおかつ引き出されやすく(15g~18g)
  3.  おもりと綿を入れる筒のバランス。(錘は綿が空の時、ちょっと浮き気味になる位置)
  4. 筒の回転と巻き取りの速度のバランスに注意。

1と2が今回大きく変えたこと。これだけで片手が自由になった。それから、3と4に注意しながらゆっくりとハンドルを回すと、面白い動きをする事に気がついた。これこそガラ紡なんだね。

ゆっくりとハンドルを回すと、がらがらと、筒が回転する。錘で筒のバランスを取る。これは、何かに似てる。。。そうそう、ダイビングの「中間浮力」だ。錘をふっと突っつくとフワッと上に持ち上がるけれど何もされなければ微妙な浮力で位置を保つ。さてその筒に中にきっちり分量の綿を詰める。導糸を筒の上に垂らして回転させると糸が綿を絡め取る。手を放しゆっくりハンドルを回し続ける。するすると導糸と同じくらいの太さで上に巻き取られて行く。そのうち撚りが強くなって糸が筒を持ち上げると、筒の回転が止まるが巻き上げは続く。しばらくすると、静かにゆるりと筒は下がり、又回転を始めた。2本の筒がそれぞれ止まったり、上がったり、下がったり、がらがら、時にはからから空回りしたり、実にコミカルに動く。筒から伸びる糸はなかなか真ん中にならなかったけれど、しばらくすると糸は中心から伸び上がって来るようになった。それは、ホイップした生クリームがつんと尖った感じ。そういえば、どこかで見たガラ紡の筒の写真、こんな感じだった。

これからが楽しみになってきた。今日はこの道具を一番使いたかった友人がやって来た。しばらく友人宅で又、試行錯誤が始まるのでしょう。経過報告がたのしみだ。