昨日し残した、苧麻の皮剥ぎをせねばならなかったのだが、どうも気が乗らない。で、気分転換に、運動靴を買いに行くことにした。買い物を済ませ、買ったばかりの運動靴に履き替えて9号線を西に向かう。兵庫と鳥取の県境の蒲生(がもう)トンネルの手前が、おじいさんのふるさとの千谷(ちだに)の村だ。おじいさんの住んでいた家はこの辺だったのかなぁ、と、父が教えてくれたあたりを見渡す。おじいさんは畳職人で、鳥取のお屋敷に畳を仕立てに行くときまだトンネルの無かったこの蒲生峠を歩いて毎日仕事に出かけていたと聞いていた。トンネル横から、おじいさんの歩いた峠に入る。気が乗らないと言っても毎日草の事ばかり考えている。山の苧麻はやはり背も高く傷も少ない。おまけにアカソという違う種類の苧麻が密集して生えていた。少し行くと橋が有る。水音がするので下を覗き込むと大きな岩と淵が見えた。淵の岩は人が並べたみたいだし、大きな岩は何か祀られているようにも見える。昔は旅人の癒しの場所だったのだろうか。。。ああ此処だわココよ。こんど雨が降ったあとで此処に草を頂きに来ます。
ものすごく日差しが強くなって来た。浦富の仕事場に着いたら、この前採ったモミジイチゴと葛の蔓が水につかったままだった。いきなり台所で皮をむき始める。そうだ、帰りに葛の様子を見に行こう。。。少し早めに出て、海岸線を浜坂に向かう。岸田川の堤防を降りるとヘリがあり驚いた。ああそうだ、明日は松食い虫の薬を撒くんだ。と言う事は、明日の朝は此処で採取ができない。と言う事で日が暮れるまで葛の蔓をたぐり寄せた。やはりまだ少し若い。なるべく太めのものだけたぐり寄せる。
堤防がコンクリートで一面補強されている場所は、何本かの蔓がのびのびとまっすぐにのびている。節の間隔も広く繊維もよじれていない。2~3本採っただけで結構なかさになった。葉を採りながら巻き取る。もう7時だが辺りはまだ明るい。川には数台の軽トラ。みな鮎釣りに来ているんだな。さて私は今日はこの辺にして帰ろう。
[:鉛筆2:] 葛の採取時期は通常7月から9月と有る。それより早いと繊維が弱く遅いと固くなっていけないらしい。
[:鉛筆2:] アカソとヤブマオと言うページを見つけた。