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織物の原風景

工房をはじめて、最初に住んでいた家の回りには夏になると前の原っぱに,葛の蔓が伸び放題だった。静岡で「葛布」と言う布が工芸品として今も作られているのを聞いていたので、何時か織が出来るようになったらぜひやってみたいと思っていた。「葛布帳」と言う本を探していたらこんな本を見つけた。織物の原風景~樹皮と草皮の布と機~。20年も費やして全国を回りその土地で作られている様々な糸布の作り方を、細かくまとめられ、その手で糸が出来る光景が目に見えるほど上手くまとめられている。取材をされた方自身が、作り手であり何時か再生するつもりで、まとめられたそうだ。図録にある写真の殆どはもう随分高齢のかたばかりで、この本が出る頃にはもう絶えてしまっている布もあるかもしれないとただし書きがあった。感謝の気持ちでいっぱいになった。