南国で作られる芭蕉布にする「糸芭蕉」と思われる植物がもう一軒のお寺の裏に生えている。花も糸芭蕉らしき花が毎年一つは咲いている。きっと糸になるさ、いつかきっと糸にと思いつつ10年目にしてやっとその気になった。野性なのかその昔誰かが植えた物だか解らないけれど。調べたら 「熱帯を中心に分布しているが耐寒性に富み、関東地方以南では露地植えも可能である。」と有り、結構あちこちに植えられているようだ。大麻の糸績みが意外と上手く行きそうなので、一度試してみようと小振りな物を一本切ってみた。
小さいと言っても私の背丈ほど高さが有り、その葉もまた同じくらい大きくていちいち感動する。切る前に、芭蕉布の糸作りの動画をチェックして、どのように皮を剥ぐか見ておいた。同じようにやっては見たが、上手く剥ぐことができなかった。糸芭蕉を剥ぐのは、北風にさらされてからとある。あちらでは秋から冬にかけて皮を剥ぐらしい。冷たい風にさらされて糸が強くなると言う事だから、切った物は未だ未熟なのだろうか。とにかく、切って触って剥いで削いでと、いじり倒して糸芭蕉という植物の性質を手に覚えさせることは出来た。半分くらい無駄になってしまったのは残念だけど。
切って居るのを近所の友人が見ていて、「たべるだか?」と半分真顔で聞く。笑いながら「うん」と答えておいた。確かにおっきな芋茎のようでもある。実際、外側から皮を剥いで行き中の方になると繊維としては使えない柔らかい部分は茹でて食べられるらしい。
美しい芭蕉布の数々と芭蕉布作りの行程が動画で見られます。
喜如嘉の芭蕉布 http://www.bashofu.jp/index.html