あきれるほどゆっくりで、うんざりするほどしつこい

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わたしのことだ。

日中織れない日は、夜に2時間ほど機に乗る(結城ではそう言っていた)。今頃になってようやく無駄な糸切れが少なくなった。こうやって、刀杼をくぐらせるたび、糸切れが無い事を確認しながら打ち込む。糸が切れたら身をかがめて綾までたどり、機結びで糸を足し同じ筬羽に通る(丸羽)片方に引っ掛けて筬目に通す。筬通しも綜絖通しの道具は要らない。体を緩めれば糸も緩み、切れた糸を難無く結び直す。こういう細かいことは。何処にも書いていないけど、一番大事なことだったりする。

糸綜絖から前がらみまでは、だいたい55cmくらい。踏ん張る丸太が少々細い事も有って(私の足が短いのか。。)私にはそれがちょうどいいようだ。足を引き経を開口してさぁっと筬を向こうにやる時、ちょっとだけ筬の重みで糸を押さえながら動かす。しかもやさしくなでるように。そうすると少し絡んだ糸がきれいに開いた。

記憶を思い出し、思い出し。織人の 所作を目に焼き付けて帰ってきた。なめらかな動き。織り進み男巻を繰り出す時、手も使わず目にも留まらぬ早業でパパンと繰り出す。身体も糸も機も一つになって。自分もいつかそんなことが出来るようになれるだろうか。

飽きるほどずっと眺めていれば良い。そのうち、大事なことはみえてくるから。