地機の織は少し置いて、高機の方を織り上げよう。糸切れの対処に、地機で教わったように織りながら糊を引く事にする。糊はさらさらとしていて、あとで落ちやすい(らしい)フノリ(布海苔、布糊)を使う事にする。ときどき竹筬に椿油を薄くひく。頻繁に起こっていた糸切れの回数が減り、とても織りやすくなる。
織りやすくなったのは、それだけでもない。地機を手に入れて織り始めた事で、高機に地機の様な織上がりを求めなくなったのか。。いや、そんなつもりは無かったのだけど、こうであってほしいと言う気持ちが、必要以上に経の張りを甘くし過ぎてかえって、状態を悪くしてしまっていたのではと思う。地機を織ることができるようになって、高機は高機が得意なように織れば良いという、当たり前のところに気持ちが落ち着いた。長い期間、むりを強いていたのかもしれない。
行き詰まったらいったん放置して、違う事をしてみよう。
犬の穴堀は、たいてい、行き詰まる前に止めさせられる。