経絣の最後には織りも少しは馴れて織り目も安定して来た。私の場合1cmに緯平均18本。コレをもとに型紙と絵図台で種糸を作る。
前回と同じ糸の太さとは言え、糸ロットも染めものり付けも違うと少々様子が違う。化学建てとは言え藍なので糸は太っているかも。無地場の織り目も18本になる様に気遣いながら経の張りを調節したり、打ち込みの強さを加減したりして調子を決める。約3cmの高さの柄は2ミリほど高くなっていた。
大きな問題は緯の耳の印の間が40cm以上有る事。絵はさほど横伸びしてはいないが、耳が余って織りにくい。だいたい、どうがんばっても40cmの巾には織れない。がんばって39cmってとこだ。のり付けの際引っ張りすぎたようだ。ただし足りないよりはまし。次の、のり付け乾燥の時には気をつけてみよう。耳の糸あまりは生地耳が弱くなるので所々折り返し織りをしてかっちりさせる事。
織り始めの一本が入ったときは今まででいちばんうれしかった。でも織り進めると絵になるのか不安になるほど、絣の糸は揃わない。いちいち図案をあててみて間違いないか確認しながら織ってみる。近くで見ていると絵が見えなくなる。糸を入れ位置決めするとき遠くを見る様に全体を見渡すと、此処しか無いと云う場所が見えてくる。
「絵を描く様に織りなさい」
福井先生はよくこう仰ったんだよと友人が教えてくれた言葉。
この言葉を誰かが私の頭の中で唱えている。
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